最初に必要なのは、現状の棚卸し
紙マニュアルをWebマニュアルにするために最初にすべきことは、現在の紙マニュアルの全体像を把握することです。これは「いまある情報をどう整理するか」「何を残し、何を見直すか」を決めるための土台になります。
- どんなマニュアルがあるか(業務別・部門別など)
- それぞれの内容や構成、更新頻度はどうか
- どのように使われているか(現場で使われているか、誰が使っているか、形骸化していないか)
このようなことを整理していくと、以下のようなことが見えてきます。
- 内容が重複しているマニュアルの統合
- 不要な情報の削除
- 古くなっている部分の更新
- Web化に向けての優先順位付け
この棚卸しがしっかりできていれば、Web化の工数や進め方も明確になっていきます。逆に、このステップを飛ばすと、「どこから手をつければよいか分からない」「作ってみたけど現場では使われない」といった失敗に繋がりかねません。
紙からWEBにするには「構成の見直し」が不可欠
紙のマニュアルは、どうしても「冊子」や「文書」としてまとまりがちなため、情報が長文化しやすく、必要な情報にすぐアクセスしづらくなる傾向があります。
Webマニュアルでは、構成を「細かく」「階層的」に分けることが重要です。
例えば:
- 紙マニュアルで10ページにわたって書かれていた手順を、
 - トップページ:「●●の手順」
 - STEP1:申請準備
- STEP2:書類記入
- STEP3:システム入力
 のように分けて掲載
 
 
- トップページ:「●●の手順」
- 紙マニュアルでは一文で済ませていた注意事項を、Webでは「重要」マーク付きで強調
このようにすることで、
- 目的の情報にすばやくアクセスできる
- 読むべき情報だけを効率的に確認できる
- 視覚的に分かりやすくなる
といったメリットが生まれます。
構成を「そのまま写す」のではなく、「Webでの見やすさ」を意識して再構成することが大切です。
画像や動画も活用しよう
紙マニュアルではスペースの都合や印刷コストの関係で、どうしても画像が少なくなりがちです。しかしWebマニュアルでは、画像や動画を気兼ねなく使うことができます。
- 操作画面のスクリーンショット
- 実際の手順を写真や動画で解説
- 図解やフローチャートで手順を可視化
など、視覚的な情報が加わることで理解度が大きく向上します。
特に、操作方法や物理的な手順が含まれるマニュアルでは、「言葉で説明するよりも一目で伝わる」ことが多く、現場での教育や習熟のスピードも早くなります。
更新しやすい仕組みを整える
紙マニュアル最大のデメリットは、更新に手間がかかることです。
Webマニュアルにすることで、
- 内容を一部だけ変更して即反映できる
- 更新履歴を残しておける
- 閲覧履歴やアクセス数を確認できる
といった管理面でのメリットも得られます。
ただし、Webマニュアルにしただけでは、更新され続ける仕組みにはなりません。
更新を継続するには、次のような工夫が必要です。
- 誰が・どのタイミングで・どのように更新するかをルール化
- 更新依頼の受付フローを整備
- 更新作業がしやすいツールの選定(専用システムやCMSなど)
こうした体制を整えておくことで、「作って終わり」にならず、常に最新情報を維持できるWebマニュアルとして運用することができます。
WEBマニュアル化の進め方(全体フロー)
ここまでの内容を踏まえて、紙マニュアルをWeb化する際の全体の流れを以下にまとめます。
ステップ1:現状マニュアルの棚卸しと整理
- どんなマニュアルがあるか、その中にどのような項目が含まれているかを一覧化
- 内容の重複や不要部分をチェック
ステップ2:情報構成の見直しと再設計
- Web向けに構成を分割・分類
- ナビゲーションの設計、階層構造の設計
ステップ3:コンテンツのWeb用編集
- テキストの見直し、画像や図解の追加
- 必要に応じて動画コンテンツを作成
ステップ4:Webマニュアルツールへの反映
- 運用しやすいツールやシステムに入力
- テスト閲覧・表示確認を行う
ステップ5:公開・周知・運用開始
- 社内への告知、利用方法の説明
- 更新フローの整備・担当者設定
この流れをしっかり踏めば、初めてのWebマニュアル化でも安心して進めることができます。
まとめ
紙マニュアルからWebマニュアルへの移行は、決して「簡単すぎる」ものでも「とても大変」なものでもありません。やるべきことが明確になっていれば、確実に進められる業務改善プロジェクトです。
- 現状の棚卸しと整理
- 情報構成の見直し
- Web向けのコンテンツ編集
- 管理しやすい運用設計
この4つの柱を意識すれば、現場で使われ、更新され続けるWebマニュアルを作ることができます。
「Webマニュアル、うちでもできるかもしれない」、そう思ったときが最初の一歩です。
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